機内。
行きは窓側だったし、3席のならびのうち真中が空いていたので
かなり楽だった。
それよりなにより、機内食がおいしく食べられたということの方が
驚異的であった。
窓のブラインドを閉めるように指示されるまでがかなり長いので、
外をながめてみた。
シベリアは赤茶げた山肌をさらしていて、時々上の方が灰色のもの
に覆われていた。
あとはひたすら寝る。
起きて、また食事があったあと、ふたたび外をながめてみる。
入り組んだ湾や砂州とかが見える。いかにも灌漑したような
土地だなと思っていたら、今オランダの上空だというアナウンス
が入った。さもありなん。こっちの機内食は食べきれなかったので、
袋詰めのパンをカバンに放り込んでおく。
やがて、機体はヒースロウへ。
どうにも、ヨーロッパのこの手の施設はカラフルなものが多く、
成田が味気ない色みたいな気がしてくる。
ヒースロウもサテライトの搭乗口が黄色だったりしてカラフル
だった。
ちょっとトイレに行っている間に、入国審査の queue はもう
長くなってしまっていて、私は終りに近い方に並んだ。
成田みたいに各窓口ごとに列を作るのではなく、列はひとつ
で、そこから各窓口に分れていくという合理的なものであった。
さて、入国審査であるが、航空券をパスポートといっしょに
出さないとしつこく聞いてくるくせに、航空券があると
それを一瞥もしない。簡単に滞在日数と目的を聞かれて、それ
だけで解放。(以前、航空券をいっしょに出さなかった当時は、
ものすごくしつこく質問されて大変だった。英国は外国人の
不法就労にきびいしいのだ。)
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