つれづれなるままに

とにかくアクションがすごいのですが、それ以外にも人間ドラマが。

特に前半は噂の人、福山雅治による比古清十郎の元で剣心が奥義を会得しようとしていたところ。

漫画の原作では比古清十郎は結構色物の格好をしていたのですが、劇中では非常に自然な格好をしていて、それでいながら説得力のある存在感を出していました。剣心の佐藤健とは龍馬伝でもいっしょでしたよね。

四の五の、じゃなくて四乃森蒼紫を剣心が破るシーンはやっぱり蛇足っぽい感じがしたのですが、志々雄真実編では確かに欠かすことができない人物ではあるんですよね。

瀬田宗次郎も前回にも増して動いていました。活躍シーンは前回よりも少ないですけどね。段々壊れていくところが、非常に納得のいく演技となってました。

そして志々雄真実。

色々な人にも言われてますが、あの包帯巻きでラバーのメイクをした状態でありながら、圧倒的な存在感を出していました。ラストのバトルでは、見様によっては大勢でフルぼっこ状態なのですが、それでもかなわない怪物が志々雄真実なんですよね。

そこで出た！

飛天御剣流奥義、天駆ける竜の閃き。

ちゃんとリアルに表現されていました。

とにかく今回のアクションは、3部作の中のアクションの集大成という感じでした。とにかく動く、動く。そして納得の行く動き。

でも、そうした中にまた、明治時代の闇についての虚しさも表現されているんですよね。

剣心や志々雄の存在自体がその闇のひとつであるし、それを葬ろうとする政府も闇。

そして殺さずの誓いを立てて敵地に乗り込む剣心たちなのですが、よーく考えてください。敵地には政府の軍人や藤田五郎(斉藤一)もいっしょだったわけで、剣心は逆刃刀で相手していても、他の人たちはがんがん人を切ったり銃で打ったりしてるんです。

結局人は大勢死んでるんです。

ラストの方でも屍累々のシーンがありました。

その中で敬礼をささげる政府や軍人たちに、どこか白々しいものを感じてしまったのは私だけでしょうか。(結局、剣心たちはそれに何の感傷も抱いてない様子だったし。)