午前中に映画 PASSION に行きました。
キリスト受難の映画です。
今年は伝説などをリアルに映画化した作品が多いみたいだし、しかもそのうち トロイ は見たし、キング・アーサーはすでに前売券を買ってあるので、残るひとつである パッション も見にいこうかと思ったのでした。
実際に公開されたのは6月か5月ごろだったのではないかと思うのですが、今月一杯まで新宿で上映してることがわかったのでまぁ、行ってみるかと思ったのでした。
映画はひとことで言うと、イエス・キリストがユダヤ人たちに捕えられてからローマ人に引き渡され、いたぶられ、十字架に磔になり、そして死んでいくまでを延々とやっていた映画といったところです。
バチカンは一度この映画を絶賛したあとで、そのことを取り消したという話もありますし、ユダヤ教徒から非難の声明が出たということでも有名です。
私としましては、劇中使われているセリフがアラム語とラテン語であるということろに興味がありました。聞いてみると、アラム語については知見がないのでよくわかりませんでしたが、ラテン語は古典期にローマ人たちが使っていたとされる発音ではなくて、むしろバチカンの教会ラテン語に近かったのではないかと思いました。発音の抑揚がイタリア語に近かったことと、"チ"という発音があったからです。これはおそらく "ci" だと思うのですが、古典期には "キ" と発音されていました。現代では、それぞれ学習する国の発音に近い発音になってます。英国では英国式に、フランスでは仏式に、イタリアならイタリア式という具合です。教会ラテン語の発音に近い(もしくはそのまま?)を使ったのは、その方がらしく聞こえるからでしょうね。英語を母国語とする人からすると、どことなく異国情緒のある発音に聞こえたのではないでしょうか。
キリストの受難についてですが、とにかくイエスは酷いまでにいじめまくられてます。普通、この段階で死んでてもおかしくない、という場面が何度もありました。ユダヤ人からローマ人に引き渡されて鞭打されたとき、十字架を背負ってゴルゴダの丘へと登っていくとき、そして十字架に釘打たれたときと、どの段階でも普通の人ならばショック死してもおかしくないのではないかと思います。イエスがよほど気力、体力にあふれていたのか、昔の人は今の人よりもショックに強かったのか、もしくはその両方なのかもしれませんね。
今映画のパンフを見てたのですが、俳優にイタリア人やブルガリア人が多いですね。そういう意味で、ラテン語がイタリア風だった説明も付くのかもしれません。パンフでは当時の言葉を再現した、とありましたけど。
聖書にもあるイエス最後の言葉、「エリ エリ レマ サバクタニ」(「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになったのですか」)も入ってましたが、今調べてみたら、福音書でもこのセリフが入ってるものと入ってないものがあるらしいですね。