今日は連れがオカリナの練習だったので、国分寺で合流しようかという話だったのですが、結構早く終わってしまっていて帰っていたみたいなんです。
16時ごろにメールがあったのですが、それを18時と勘違いして、ついさっき来たばかりだと思ってメールしたのですが、2時間差があったので気付かれませんでした。
というわけで、新宿経由で普通に帰ったのでした。
相対論、というとアインシュタインのを思い浮かべますが、元々はガリレイの相対論というのがあったんです。
ある速度で移動している相手を、こちらから見たときと相手から見たときでどう違うかというのを関連付けるのです。
相手が走っているとするとわからなくなるので、電車にでも乗っているとしましょう。彼は電車の中で動かないとします。すると、彼はある位置 $x$ に静止してることになります。
電車は $x$ 軸方向に、速度 $v$ で移動してるとします。
そのとき、こちらから見た彼の位置 $x'$ は時刻 $t$ において $x'=x-vt$ となります。
あたりまえですね。
これを考えたときに、何がいいのかというと、基本的な力学の方程式の形がこの変換で形を変えないということなんです。
彼から見たときの運動方程式は、ダッシュなしの記号で書くと、
$$ F=m\frac{\mathrm{d}^2x}{\mathrm{d}t^2} $$
ですが、こちらから見たときの運動方程式も、ダッシュつきの記号で書いて、
$$ F'=m\frac{\mathrm{d}^2x'}{\mathrm{d}{'}t^2} $$
ここで、わざと時刻を $t'$ と書きましたが、ガリレイの相対論の元では $t'=t$ です。
さて、運動方程式は他の変換でも不変になります。
ちょっと考えてみればわかるのですけど、回転変化です。
ちょっとわかりにくいかと思いますが、彼が $x$ 軸に沿って動いていなかった場合でも、まっすぐに動いていたときには、適当に座標軸をぐるぐる、っと回して、動く方向と同じにすることができます。でも、座標軸をどうぐるぐる回しても、当然のことながら、彼の動きは不変です。このときの彼の位置はベクトルであらわすことができます。
$$ \vec{x''}=(x'',y'',z'') $$
で、$x''$ はこの座標成分を適当に足し合わせることで$x$に変換することができます。
二次元の回転のときは、高校か大学で習いますよね。
三次元のときは、3つの軸それぞれに対して同じ方法で回転させるように行列を作ってやればいいのです。
そうして作った回転行列$O$を使って、座標変換は以下のようになります。
$$ \vec{x}=A\vec{x''} $$
ですね。
アインシュタイン以前のニュートン力学では、これららのガリレイ変換と回転変換で方程式の形が変わりません。
この法則が、どんな物理法則にも成り立つなら話は簡単だったんですよね。
ところが、例外があったんですよね。
ぶっちゃけ言ってしまうと、いわゆるところのMaxwell方程式というやつです。
電磁気学の方程式ですが、簡単に言うと、電流のまわりには磁場ができたり、磁場が変化するときに電流が生じたりするという、ファラデーの法則とかの電磁場の法則をまとめた4つの方程式です。モーターとか発電機の原理になる法則ですね。
この方程式は、上の変換のうち回転変換に対しては形を変えないのですが、ガリレイ変換をすると困ったことに方程式が成り立たないことになってしまいます。
どういうことかというと、さっきの運動している彼の話で説明しましょう。
彼から見たときに、当然のことながら電流のまわりに磁場ができます。こちらから彼の方を見たときも、同じ方程式の形で電流のまわりに磁場ができます。
電場と磁場が急速に変化しているときは、Maxwell方程式を変形していわゆるところの波動方程式が作れます。
この波動方程式には波の速度が出てくるのですが、電磁場の波動方程式の場合は、Maxwell方程式が成り立つためには定数でないといけないのです。
これはどういうことか。
この波の速度を$c$としたときに、彼から見てもこちらから見ても波の速度は$c$でないとMaxwell方程式と矛盾することになります。言い換えると、モーターも発電機も、彼から見てもこちらから見ても同じ動作をする、つまりモーターは同じ早さで回転して、発電機は同じ電力を出力するためには、どちらから見ても$c$は同じということです。
普通にガリレイ変換を考えたときに、これはおかしなことになりますよね。
彼から見た波の速度を$c'$としたときに、$c'=c+v$となるはずなのに、実際は$c'=c$となるんです。
ガリレイ変換とこの式が両立すると考えると、$ v=0 $となってしまって、彼が動いている、という事実と矛盾します。
ではどうすればいいのか。
速度$v$で移動している彼から見たときに、彼からみた時間のあいだに光が彼から見た距離の関係とこちらから見たときの同じ関係を見てやればいいのです。
これは一種のピタゴラスの定理で求めることができるのですが、ちょっと違うのは時間の方の符号がマイナスになっていることだったりします。
$$ (x')^2-(ct')^2=x^2-(ct)^2 =s^2 $$
普通のピタゴラスの定理ではこれがプラスになるのですが、$s^2$が一定になることから楕円の式になるのですが、この位置と時間の関係は実は双曲線関数というものを使ってあらわすことができます。
このときの座標変換が、速度が小さいときにニュートンの運動方程式と矛盾しないようにするためには、変換が単純な行列との掛け合わせであらわされる必要があります。
これらの仮定のもとで解かれた変換をローレンツ変換といいます。
これはニュートンの運動方程式にも彼の速度の0への極限を考えたたあときにに矛盾しなくて、Maxwell方程式とも両立する変換となります。
実は、ニュートンの運動方程式で、$t$のかわりに、$\tau=\sqrt{-s^2/c^2} $を使ったときに、力と位置の成分をそれぞれ$F^\mu, (\mu=(0,1,2,3)) $, $x^\mu, (\mu=(0,1,2,3))$としたときに、
$$ F^\mu=\frac{\mathrm{d}^2x^\mu}{\mathrm{d}\tau^2} $$
の形になるのです。$x^\mu$の添字の1~3は普通のx,y,z方向の位置で、$x^0$については$x^0=ct$となります。
すみません。
色々とはしょりました。
まぁ、言いたかったのは、ローレンツ変換のもとでは、拡張された運動方程式が成り立ち、Maxwellの方程式とも矛盾しないものなんだ、ということです。
特殊相対性理論というのは、ニュートン力学と電磁気学を統合した理論なのですね。