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つれづれなるままに

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12-August-2014 故宮博物院展 [長年日記]

_ [日記] カウンター

344人でした。

_ [展示] 台北國立故宮博物院 神品至宝展

上野の東京国立博物館で開催されている、故宮展に行ってきました。

今回のは世紀の展覧会なんですよね。

これだけの至宝がアジアの国に出されるのは今回がはじめてだし、神品と認定された文物が展示されるのもかなり異例なことらしいです。

東京のあとでは九州での展示があるのですが、この両者からの文物の台北での展示が約束されていて、それによって今回の展示が実現したということらしいです。(事前にポスターがらみでいざこざはありましたが。。)

朝の9時半の開館直後に現地に着きました。

青銅器や玉、書画やその他の文物などが展示されています。

いずれも古代中国から清朝まで伝えられ、紫禁城に保管されるようになった物が、中華民国の首府の移動とともに南京を経て台湾に渡ったものです。紫禁城にあった当時は200万はあったとされる文物ですが、中国共産党に追われ南京にのがれる時点でかなりの文物を損失し、さらに南京から海路台湾に渡る時点でまた多くが海中に沈んだことから、現在台湾の故宮に収められているのは70万点ほどなんだそうです。それでも古代から伝えられた非常に貴重な品々なんですよね。

それが日本に来るというのはかなり貴重なイベントです。

さらに、今回はその中でも特に貴重な物とされ、台湾での展示ですら数年に一回しか行われない文物もいくつか日本で展示されています。

どれも見応えたっぷりですね。いきなり最初の展示の散氏盤でおおっと来ましたし。なにせ西周の時代に諸侯に下賜された文物のひとつですから。内面にはびっしりと金文が彫ってあります。周の時代のものですから、かなり古い字体ですね。うっとり。

昼頃に、ようやっと半分見終わって、中間のホールにあるショップをのぞいてみました。

まさかあるとは思わなかったパクチョイグッズが結構あったり。キティちゃんグッズもあったな。かなり台湾とタイアップしたグッズが売っていました。

後半は工芸品とか、清の歴代皇帝のコレクションなどの展示でした。

新鮮だったのは新(前漢と後漢の間にあった短命王朝)の王莽が定めた度量衡の原器があったことです。秦が定めた基準を更新しようとしたのかなぁ?

展示は前期と後期に分かれていて、今はすでに後期なもので、一部の展示はもう終わっているのですが、その中でも目玉なのが人と熊という題の、黒と白の玉から掘り出された熊と人が抱き合っているような形の工芸品と、北宋の蘇軾の行書黄州寒食詩巻ですね。

蘇軾の行書黄州寒食詩巻は、多くの跋文も同時に見られるように展示されていました。同時代の黄庭堅も跋文を入れていたりします。この作品はかなりドラマチックな流転の旅をしてきたもので、中国で英国からの襲撃を受けたときにたまたま民間に流出したことで戦禍をまぬかれ、それがたどりたどって日本にやってきていました。ところが、その直後に関東大震災によって、この書が収められていた蔵が焼けてしまったのだそうですが、当時の所有者が身を張って守ったのだそうです。その時のことについても、日本人による漢文の跋文が入っていました。その後、第二次大戦を生き抜き、さらに売り渡された後に故宮に収められるようになったものらしいです。最後におまけみたいに2つの跋文がついているのですが、他の箇所はちゃんと表装してあるのに、その2つ(いずれも20世紀のもの)はのりで簡単に貼りつけてあるだけのものでした。これには清の乾隆帝の跋文も入っています。

ちなみに、蘇軾は蘇東坡の名前でも有名で、東坡肉(トンポーロウ)、(つまり豚の角煮)の名前の由来になっています。その東坡肉の形にそっくりの肉形石の方は九州の方の展示で期間限定で展示されるようです。

ちなみに、同じく期間限定で東京で展示となっていた翠玉白菜(上でパクチョイと呼んだもの)は6月24日から7月7日までということを知っていたので見れないのはわかっていました。こちらは白と緑の玉をうまく加工して、白菜とそれにとまるキリギリスとイナゴが彫刻されています。その色彩が絶妙なんですよね。

肉形石も翠玉白菜も故宮での人気作品で、この前台湾に行ったときに見ることができています。

ちょっと残念だったのは、今回の展示で孫過庭の書譜と蘭亭序の定武本が来るということだったのですが、書譜は行書黄州寒食詩巻と入れ換えで前期に展示されていたことと、蘭亭の方は九州の展示だったことです。

書譜は20年以上昔にはじめて故宮に行ったときにたまたま展示されていたのを見たことがあるのですが、その時は全体のうちの1メートル程度だけで、全体を見たことはありませんでした。行書黄州寒食詩巻の展示の感じだと全部の箇所が見えたのかもしれないとちょっとそこはくやしいです。蘭亭も、以前北京の故宮に残っていた八柱本の展示でその実物を見たことはあるのですが、定武本は見たことがないんですよね。これも残念です。

でも、それを補って余るほどの充実した展示があったのは事実です。

結局、国立博物館をあとにしたのは15時ちょっと前。なんと5時間以上も、ちょっと休憩しただけで中にいたことになります。

故宮はかなり内容が濃いですから。

公式図録は2500円ですが、類似の展示とそう変わらない価格ですし、しかも内容が超濃いので、これもおすすめです。

_ [日記] うろうろ

上野をあとにして、神保町まで行こうかと思ったのですが、雨が降り出していたので、電車で新宿まで出ました。こちらなら地下を行けるからです。

しばらくヨドバシをうろうろ。

それから夕食は西口に昔からあるインド料理のボンベイで食べました。ここって、昔は紅茶をポットで出してくれていたのですが、いつのまにかカップ出しになっていたのかなぁ。セットだったから? ニルギリだったのですがミルクもついていませんでしたし。そういえば、最近行ったときはミルクと言ってコーヒークリームを出されたことがあったっけ。でも紅茶の茶葉はいいものを使ってるし、淹れ方もうまいです。

西武新宿に行く途中で、今日から改装後の開店だった福屋書店の方に行ってみたのですが、あれはないよな。改装も突然だったのですが、通路をはさんで向いのコミック売り場の方も、その頃からBL系の方に重点を置く配置になっていたんです。で、今日改装が完了した方の店を見たら、みごとに女性向けになっていたし。。。LOVEとか健康とかスピリチャルとかの項目が並んでいて、コンセプトはキレイになると、完全に女性だけをターゲットにした作りになっていました。あのあたりでは貴重な本屋だったのですが、あれはもうだめだ。ここ数年は握手とか撮影とかのイベントを定期的に行っていて、それもかなりじゃまくさかったのですが、あれですか? 男性はそっちに押し込んで女性を本屋の方に集中させるという戦略なんでしょうか。なんかひどいなぁ。。。ここ十年ぐらいで、あの界隈の本屋はことごとくなくなってきているんですよね。ルミネ・エスト(旧マイシティー)の本屋とか、PePeにあった本屋とか、旧三越の中にあったジュンク堂だとか。これで東口では紀伊国屋書店以外はほぼ全滅だなぁ。西口にはまだいくつかあるようですけど、そっちには寄らないし。本屋もいろいろきついんだろうけど、本屋でこそみつけられる本というのもあるのになぁ。。。

で、帰りました。

なんか異様に疲れています。

早く寝るつもりが、日記を書いてるだけで日が変わってしまいました。

そろそろ落ちます。


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