読了。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784865544749
シリーズ2巻目。
戦乱の世の中、他国に侵略された王国で最強の魔術師と言われたレティシエルは、王国滅亡の際に殺害されたと思ったら1000年後の世界に生まれ変わっていました。
1000年後の世界では彼女のいた国のことも忘れ去られ、すっかりと平和な世の中になっていました。
レティシエルはこの国の公爵家の娘であるドロッセルになっていたのですが、周囲の人は突然、忌み子とされていたドロッセルが人が変わってしまったことに戸惑います。
マイペースなレティシエルは、魔法の力を持たないドロッセルの体が、魔術を使うには最適なものだということに気付きました。
一見無表情に見えるレティシエルですが、その実結構感情は豊かで、少しづつ仲間を増やして行っていたのですね。
2巻では、この平和と思えた世界にもどこか不穏な空気が流れていることが示唆されます。そんな不安を打破するきっかけとドロッセル(レティシエル)がなるのではないかと王は考え、ドロッセルに学生ながら独自の研究を続ける環境を提供することにします。
一方で、レティシエルは、学校でいじめに遭っていた同級のヴェロニカを友人に加えることになります。
そして、謎の精霊の双子がいつのまにかドロッセルに懐いてくるようになったりします。
1000年前の人物であるレティシエルの目から見た、この時代の王侯貴族や学生の生活や習慣についての感想とかもおもしろいですね。戦乱の世にあったレティシエルは、自分の身の周りのことは自分でできるようにしているのですが、この時代では貴族はすべて家の者にやらせることが普通だったりして。学業にしても、不要な知識を必要とする分野には疑問を抱きつつも、進級できずに級友たちとの時間が取れなくなるのがいやで、馴染みの無かった分野の試験勉強を級友たちとしたりしていました。
淡々としてるようで情に厚いレティシエル(ドロッセル)と、謎につつまれた「元」のドロッセルの過去の話とかがおもしろいです。