神椿の理芽のカヴァー。
最近はかなり安心して理芽の歌を聞けるようになってきています。
結構シニカルな曲を選んだりしてるような気がします。
この前の高速弾? のところで、移動するブラックホールについて考えてみたんですが、今回は別の切り口で。
Wikipediaによると、ブラックオールのカー解 Kerr solution は真空中を定常的に回転する軸対称なブラックホールを表現しているとあります。
仮にシュヴァルトシルトブラックオールが高速移動したとして時空が変形したとすると、進行方向以外を区別する方法が無いので、軸対称、つまり進行方向を軸として回転しても形が何も変わらないはずです。この角度とあの角度といったときにそれぞれを区別するものがないからです。ただ、進行方向だけは他の軸と違って速度方向であるということが違ってる(かもしれない)です。
Wikipediaによるとカー解は以下のようになるそうです。
$$d\tau^2 = \left(1 -\frac{2Mr}{\Sigma}\right)dt^2 + \frac{4aMr\sin^2\theta}{\Sigma}dtd\varphi - \frac{\Sigma}{\Delta}dr^2 - \Sigma d\theta^2 - \left(r^2 + a^2 + \frac{2a^2Mr\sin^2\theta}{\Sigma}\right)\sin^2\theta d\varphi^2 $$
ここで、 $c=G=1$ としてるのと、 $\Sigma = r^2 + a^2\cos^2\theta$ , $\Delta = r^2 - 2Mr + a^2$ だそうです。距離と時間の負号は今までのとそろえて (+ - - -) にしてるので、Wikipediaのとは違っています。
シュバルツシルト解と一番違うのは $dtd\varphi$ の項があることですね。シュバルツシルト解は単純化してしまうと、 $$d\tau^2 = Adt^2 - Bdr^2 - Cd\theta^2 - Dd\varphi^2$$ みたいな形に還元できていましたし、この形自体が球対象な条件から導かれるんだそうです。
この $d\tau^2$ なり $ds^2$ なりというのは時空の微少量で、リーマン空間上の微小距離を意味するのですが、一般形は計量と呼ばれる行列 $g_{\mu\nu}$ を使って、 $$ds^2 = g_{\mu\nu}dx^\mu dx\nu$$ のような形であらわせます。ここではアインシュタインの規約といって、上と下に同じギリシャ文字の記号があったら 0~3 に値を変化させて足し合わせるというのを使います。つまり $$ds^2 = \sum_{\mu=0}^{3} \sum_{\nu=0}^{3} g_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu$$ です。添字の 0 は時間成分で、1~3は空間成分( $x, y, z$ とか $r, \theta, \varphi$ とか)を意味します。一番簡単なローレンツ計量で $$\eta_{\mu\nu} = \left(\begin{array} \ {1} & 0 & 0 & 0 \\ 0 & -1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & -1 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & -1 \end{array}\right)$$ のような形を取り、2点間の距離は $$s^2 = \eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu = (x^0)^2 - (x^1)^2 - (x^2)^2 - (x^3)^2$$ となります。(数学的に区別するために添字が右肩についていますが、累乗ではありません。)
脱線しますが、ローレンツ変換は行列 $\Lambda$ の形で表せ、 $x'^\mu = \Lambda_{\mu\nu} x^\nu$ となりますが、特に距離はローレンツ変換で不変となり、 $$s^2 = \eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu = \eta'_{\mu\nu}x'^\mu x'^\nu$$ なのですが、 $$\eta'_{\mu\nu}x'^\mu x'^\nu =\eta'_{\mu\kappa}\Lambda_{\mu\kappa} x^\kappa\Lambda_{\nu\lambda}x^\lambda = \eta'_{\mu\kappa}\Lambda_{\mu\kappa}\Lambda_{\nu\lambda}x^\kappa x^\lambda =\eta_{\mu\nu}x^\mu x^\nu $$ なので、 $$\eta_{\mu\nu} = \eta'_{\mu\kappa}\Lambda_{\mu\kappa}\Lambda_{\nu\lambda}$$ となります。線形代数では行列を座標変換するときは変換行列を前後から掛けるのですがそれと同じ形をしています。しかもローレンツ変換しても計量の形が変わりません。というか、この式自体がローレンツ変換の定義になっていたりするのでした。
さらに超脱線ですが、このアインシュタインの規約、プログラミングには超便利です。
int n; //適当な数字を入れておく
double a[n][n]; //適当な数字を入れておく
double b[n][n]; //適当な数字を入れておく
double c[n][n] = {0.0};
for(int i=0;i<n;i++){
for(int j=0;j<n;j++){
for(int k=0;k<n;k++){
c[i][j] += a[i][k] * b[k][j]; // ①
}
}
}
という風に行列aとbの積cができてしまうのですが、①のところはアインシュタイン規約でいうところの $c_{ij} = a_{ik}b_{kj}$ みたいにとらえることができるので、行列の式がいくつあろうと同じように計算できるのでした。(ネストは増えるけど……) 例えば ABC の積だったら $a_{ik}b_{kl}c_{lj}$ で k,l について和を取れば良いです。普通は三つの行列の積はループを二つに分けないといけないのですが、上のループの中にもう一個ループを追加するだけで良いというやつ。ネストが多いのはあんまり良いプログラムとは言えませんけど、断然見易いし、式との対応が取りやすく、だからこそ間違えにくい。行列の演算の多いプログラムは面倒ですもんね。
閑話休題
カーブラックホールで角運動量は $J=Ma$ になるんだそうですが、今考えているのは軸対称だけど回転していないブラックホールなので、 $J=0$ から $a=0$
すると、 $\Sigma=r^2$ , $\Delta = r^2 - 2Mr$ なので、これらを代入して $$d\tau^2 = \left(1 - \frac{2Mr}{r^2}\right)dt^2 + 0 dtd\varphi - \frac{r^2}{r^2 - 2Mr}dr^2 - r^2 d\theta^2 - \left(r^2\right)\sin^2\theta d\varphi^2 = \left(1- \frac{2M}{r}\right)dt^2 -\left(1-\frac{2M}{r}\right)^{-1}dr^2 -r^2d\theta^2 - r^2\sin^2\theta d\varphi^2$$ となるので、まんまシュバルツシルト解になっています。
結局、軸対称を仮定しても、回転してなかったらシュバルツシルト解になるのだから、速度が変わったとしても結局は球対称となるということみたいなのでした。
ちゃんちゃん。
結局見に行けないのですが、映画のセーラームーンの後半が11日に開始ということで。
PVで、今までアニメにはなかったサターンの変身シーンがあるということで、特に海外から反響が出てるのだとか。
外部惑星三戦士たちの変身シーンは、Crystalのときと同じように旧アニメのものがベースになってるみたいですね。旧アニメではエターナルセーラームーンになるのは最後のセーラースターズのときだけだったと思うのですが、原作ではこの4部の時点で出てきていたのですね。だから副題がEternal なのか。そして他のセーラー戦士たちはスーパー状態になる、と。
前編の方のダイジェスト版も上がっていました。
セーラー戦士たちの変身シーンはやっぱり旧アニメベース。まぁ、漫画ではそんなに尺を取って変身シーンを描写してるわけではないですからね。
ダイジェストを見る限り、本当に原作に忠実に描いてるなぁ、という感じでした。
緊急事態宣言と重なってしまい、本当に悲しいです。。。