今日は一日不調でした。
かなり体がだるいです。
風邪っぽい感じだから、風邪だったのかもしれません。
数日前から呼吸が少々苦しくなってきているので、それが関係してるのかなぁ?
うう。
気持が悪い。
前、加速度系が特種相対性理論によるのか一般相対性理論によるのか、という命題にうまく答えられなかったことへのフォロー。
とは言っても、かなり前の話題なんですが。。。
一般相対性理論の要請である等価原理というのは、加速している状態と重力を区別することができない、というものです。
アインシュタインの最初の要請はそうだったようですが、厳密にはこれには条件がつきます。
ある一点だけを考慮したときに、加速状態と重力がかかっている状態が区別できない、というのがそれです。
ではその両者で何が異るのか。
特種相対性理論の結論から、周囲が動いているとも、自分が動いているとも考えることができます。
では、自分が加速してる状態が、自分に重力がかかっている状態と同じとみなしていいのか?
重力がかかっていると考えるためには、重力がかかっている状態と、周囲が一定加速度で運動してる状態が等価でなければなりません。
加速度系である点 $x=x_0$ における力を $F=-\left.m\frac{d^2x}{dt^2}\right|_{x=x_0}$ とします。
その点から $\Delta x$ だけ加速方向に離れた点 $x'=x_0+\Delta x$ における加速度は、 $$F'=-\left.m\frac{d^2x}{dt^2}\right|_{x=x_0+\Delta x}$$
ここで、周囲が一定の加速度で加速していることから、全ての点で加速度は同一になります。そのため、 $$\left.\frac{d^2x}{dt^2}\right|_{x=x_0} = \left.\frac{d^2x}{dt^2}\right|_{x=x_0+\Delta x}$$ となり、 $$F=F'$$ となります。
一方、自分の点 $x=x_0$ に働く重力は、重力源からの距離 $r_0$ を使って $F=-\frac{\mu m}{{r_0}^2}$ となります。ここで $\mu$ は重力定数で、重力源によって異ります。
さて、上記の加速度方向に $\Delta x$ 離れた点に相当するのは、 $r_0+\Delta x$ となります。この点における重力は、 $$F'=-\frac{\mu m}{({r_0+\Delta x})^2}=\frac{{r_0}^2}{({r_0+\Delta x})^2}F = \frac{1}{1+\frac{2\Delta x}{r_0} +\frac{{\Delta x}^2}{{r_0}^2}}F$$
$\Delta x \ll r_0$ とすると、 $\frac{1}{1+\frac{2\Delta x}{r_0} +\frac{{\Delta x}^2}{{r_0}^2}} \simeq \frac{1}{1+\frac{2\Delta x}{r_0}}$ で、 $\frac{\Delta x}{r_0} \gt 0$ であることから、 $\frac{1}{1+\frac{2\Delta x}{r_0}} \lt 1$ となり、結局 $F \gt F'$ となります。
つまり、点 $x=x_0$ では重力と加速力は一致するようにできますが、 $x=x_0+\Delta x$ では重力と加速力は一致しません。
このことは、加速度系と重力系は完全に一致はしないということを意味します。
何故このようなことが生じたかというと、重力が中心力といって、ある点からの距離の逆二乗に比例する力となっていて、力の傾斜が存在するのに対し、加速度系においては、周囲が一斉に同一方向に同じ加速度で運動するため力が全ての点で同じになるという違いがあるからです。
一般相対論の考察によると、時間と位置が同じように重力によって変化すると考えます。これは曲った空間として認識され、曲率が定義できます。
この曲率の計算は高度に数学的な議論が必要となるので詳細は省略しますが、アイデアとしてはガウスによって見い出された、球面上の曲率は球面の外側に出なくても、球面上で計った量だけで決定できるという考えを一般化し、空間の曲率はそれよりも大きな次元の空間を考えることなく表すことができる、というリーマン幾何が用いられることとなります。
さて、では加速度系の力学はどのように表されるのでしょうか?
等価原理の要請から、 $x=x_0$ においてある瞬間に自由落下をする状態を考えると加速度の無い状態を表わすことができるので、この点においては特種相対性理論が成立します。
ここでは、 $ds^2=c^2dt^2-dx^2$ が成立します。(距離が離れると上記の議論のように同じ状態が成立するとはみなせないため、微少量である $cdt$ と $dx$ を用いました。
この $ds^2$ はローレンツ変換において不変の量となっているのは特種相対性理論の要請からわかるのですが、ある系においてこの点が原点に静止しているとすると $dx=0$ となるので、 $ds^2=c^2dt^2$ となり、ローレンツ変換で不変となる一種の時間とみなせることになります。
$d\tau = ds/c$ と定義し、時空上の点 $(t, x)$ を微分します。
$(\frac{dt}{d\tau}, \frac{dx}{d\tau})$ 原点で静止している系で考えるとこれは、 $(\frac{1}{c}\frac{dt}{dt}, \frac{1}{c}\frac{dx}{dt})=(\frac{1}{c}, \frac{v}{c}) = (\frac{1}{c}, 0)$ となります。
速度 $v$ の系では上記のベクトルに $c^2$ をかけたものをローレンツ変換して、 $(c\frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}, v\frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}})$ が得られます。
これを四次元の速度ベクトルと定義し、これに静止質量をかけることで四次元の運動量 $p^\mu$, $\mu=0,1,2,3$ が定義できます。(四次元のベクトルをこのように成分表示します。)
これをさらに $\tau$ で微分することで、運動方程式 $F^\mu=\frac{dp^\mu}{d\tau^2}$ が計算できます。
問題となっている等加速度運動をする系の状態は、この特種相対性理論のベクトルを用いて表すことができます。
この議論では最初に等価原理を要請しましたが、結論は等価原理を必要としません。
というわけでした。
例によって計算間違えがあるかもしれないので、そこらへんはよろしく。
コピって罰点をもらっても関知しませんのであしからず。