毎日展に国立新美術館へ行ってきました。
今期はうちの先生の作品が展示されていました。
それにしても、今回は(も)落選していたので、毎日展の傾向を見ようと審査員とか会員の作品を見たりしていたのですが、そういう目で見たときに限って、果して一体どういう方向性を良しとしてるのかわからなくなってしまうのですよね。
まだ独立の方がわかりやすいような気がしますが、あちらの方は毎日展に比べてかなり規模が小さいですしねぇ。
独立からも審査委員で参加してる人がいるはずなのですが、それでも独立から出すという意味がわからない。
あれだけ何でもありな感じなのに、異様に厳しく感じたり。
ううみゅ?
特別展で「筆・墨・紙・硯の世界」というのをやっていて、それがかなり良かったです。
特に墨のところは興味深かったな。
墨は要は煤と膠を練り込んで乾かして固めたものなのですが、実は漢代あたりまでは墨丸をすりつぶして使っていたみたいで、今のような固形墨ではなかったみたいです。
膠は加水分解で時間とともに分解して力を失ってしまうらしいです。まぁ、動物由来ですからね。でも、西洋の膠はコラーゲンが入ってないので墨には使えないそうです。
液体墨(いわゆる墨汁)は、今は膠は使われてないことが多いようです。膠が使われてるものは防腐のために塩が入ってるんだとか。膠によるものでない液体墨によって書かれた文字がどれだけ長持ちするのかは、まだわかってないんですよね。そんなに歴史はないので。
墨そのものはなんと10何度だかでゲル状になってしまって使い物にならなくなるらしいです。(墨汁ではそうならない。粘りは増すけど。) そのため、硯などをあたためて使用することもあるというのははじめて聞きました。それに墨を硯で磨るときは、なんと磨るときの摩擦熱で膠がゆるんで、それでカーボンが水となじむようになってるんだとか。なんと。
今回の展示の内容と同じテーマの本が売店にあって、図版とか文章とかに共通のものがあるから、同じところが監修してるんじゃないかなぁ。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784887152144
帰りに神保町に寄って買ってしまいましたよ。