このところいろいろと電子書籍に触れる機会が増えてまして。
もともと興味を持ったのはMGM2のときにプレゼンがあった、同人を電子書籍で出すというものなんですが。あのときはkindleをすすめられましたね。まぁ、Amazon はそう簡単に消えるような企業ではないでしょうから、当面は使い続けることができると思います。ただ、kindle は作品を買って自分のものにするわけではないんですよね。作品を読む権利を購入してるだけで、所有権は Amazon にあるのでした。
他にもいくつか漫画関係で電子書籍のサイトを使ったりしてみたのですが。
自前のビューアーをインストールする必要があるサイトが多いですね。そういうところはブラウザー経由でもサイトにログインすれば見ることができるのですが。一応ファイルをダウンロードしておくことができますが、ファイルはビューアーを通してしか見ることができません。まぁ、PDFもそうだろうとおっしゃる向きもあるかと思いますが、PDFの規格そのものは公開されているので、仮にAdobeがなくなっても他のベンダーからPDFのリーダーは入手できるはずですし、実際サードパーティーのリーダーは結構あります。ビューアーを通してしか見ることができないサイトのものの作品を見るときの問題は、やはりそのサイトがなくなってしまったときのことですね。PCのOSがアップグレードしなければそのビューアーをインストールしなおすことで読むことができるかもしれませんが、どこかで非対応になって読めなくなる日が来るでしょうね。サイトに認証してるようなソフトがあったらなおさらです。
で、やっぱり気になるのは漫画のものですけど、赤松健氏が立ち上げたマンガ図書館Zですね。
これは漫画家であり、多忙な連載の合間に漫画についての権利を守るためにあちこちでロビー活動を展開してきていた赤松氏本人が、漫画家の権利と読む自由を両立させるために作ったシステムだったりします。サイトは基本広告収入で成り立っていて、サイトの作品をただであっても読むだけで著者に利益が還元されるようになっています。さらに、読者に対しては別途PDFを購入することで、永続的に作品を読むことができるようになります。まさに書籍を購入したのと同じことになるわけです。さらに、著者を悩ます海賊版対策としてPDFに電子透しを入れていたり。実際のところは電子透しよりも、公式な場所から利便性とクオリティーの高い物を提供することで海賊版を撃退する(というよりもその存在意義を無くしてしまう)というアジア方面に対して日本の出版社がやってきたのと同じ戦略を、著者にも有利に働くように仕組みを作ったものだと聞いています。
図書館というだけではなく、過去の、絶版になってしまった作品などもネット上での再販で、(著者に利益が還元される方法で)見えるようにするという目的もあって、過去の名作などもどんどん収録されてきています。(というか、おそらく版権の問題とかで過去の作品の方が収録しやすいのかも?)
諸々の理由を見ても、著者にとっても読者にとっても結構有利な仕組みになってるんじゃないかと思う次第。
他のマイナーなサイトと違って、赤松氏の働きかけもあって結構有名所の作者も名を連ねていることから、そんお収録されている作品には結構メジャーなものもあったりします。
ただで見るだけでも著者に利益が還元されるところなので、一度見てみてはどうでしょうか?