知らなかったんですが、金曜ロードショウですか? 映画のるろうに剣心やってたみたいですね。
NHK の NEWS WEB のつぶやきビッグデータで(取り上げられなかったけど)でっかく剣心とあったのが微妙におかしかった。他局だから取り上げられないのね ^^;; まぁ、結構 NHK は最近よく他局のネタを出したりしていますけど。。
アインシュタインの一般相対性理論によって予言された重力波を観測する施設が公開されたということで。
アインシュタイン方程式 $$ R_{\mu\nu}-\frac{1}{2}g_{\mu\nu}R=8\pi GT_{\mu\nu} $$ における $ R_{\mu\nu} $ はリッチ曲率テンソル、 $ R $ はスカラー曲率という量 ( $ R = g^{\mu\nu} R_{\mu\nu} $ )なのですが、この曲率は空間の性質をあらわす計量 $ g_{\mu\nu} $ の2階微分で記述されます。実際は結構複雑な形の微分になっているんですがね。 $T_{\mu\nu}$ は物質やエネルギーの分布や流れを意味します。
上付きの添字と下付きの添字がペアであらわれたときは、アインシュタインの規約といって、その記号を 0, 1, 2, 3 と変化させて和をとることを意味します。つまり、 $ x_\mu y^\mu = \sum_{\mu=0}^{3} x_\mu y^\mu $ です。平坦な時空では添字の 0 は時間を意味します。
計量は空間が平坦、つまり曲率が0のときはローレンツ計量 $ \eta_{\mu\nu} $ は $$ \begin{pmatrix} -1 & 0 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} $$ の形の行列で表わせる量となります。平坦な時空での微小距離は $ ds^2=\eta_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu $ の形となりますが、平坦でない時空での微小距離は $ ds^2=g_{\mu\nu} dx^\mu dx^\nu $ となります。
曲率が小さく平坦な時空からの隔りが小さいときに $ g_{\mu\nu} = \eta_{\mu\nu} + h_{\mu\nu} $ という補正量 $h_{\mu\nu}$ を用いて表現したときに、条件を限定すると $h_{\mu\nu}$ についての波動方程式に変形することができます。
つまり、その解は平坦な時空に対してどれだけ空間が曲っているか、という量が振動することを意味することになります。
単純に言うと、この振動が重力波となります。空間の曲がった度合いが振動するというイメージです。
実はこの重力波はかなり弱く検出が難しくなります。物理の世界で根本的な力である4つの力のうち、強い力と重力の間の強さの比は $10^{40}$ のオーダーもあるのがその理由です。
しかも、既存の重力波による振動をとらえようとする実験設備は、地震とかの物理的な微妙な振動によって重力波を誤検知してしまうことがあって、それで今まで重力波を直接とらえることができなかったわけです。
詳しいことは知らないのですが、今回の設備はきっとそこらへんを回避して重力波を検出するしかけを作ったんでしょうね。
余談になりますが、量子力学的には振動は量子としてあらわすことができるので、この重力波に対応する量子が存在すると仮定できます。それがいわゆる重力子と呼ばれるものなのですが、重力子の計算のためには一般相対性理論と量子力学の統一が必要となり、まだその計算はできていません。特種相対性理論と量子力学はかなり昔に統一的に記述することができていて、今言われるところの場の理論とか素粒子論とかは特種相対論的量子論で記述されています。