4週遅れ。
中村警部の恋人がGA...じゃなくて20面相だったというのは一体いつからのことだったのでしょうか。
というか、刑務所で脱獄を手配していた明智探偵は20面相ですよね? なんか、どれが本当の明智探偵なのかわからなくなってくるというか。それとも全部本人?
まぁ、迷ってるのが明智探偵本人ですね。
読了しました。
ロケットガールの野尻抱介の作なんですが、今更ながらのレビュー。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784150310585
まぁ、モチーフになっているのはぶっちゃけ初音ミクです。隠すまでもなく初音ミクです。
作中でのこのVocaloidの名前は小隅レイだったりします。まぁ、言うまでも無い(?)でしょうが、小隅黎の筆名で創作・翻訳をしていた故柴田拓美氏から名前は来てるんでしょうね。Wikipediaを見ていただければわかると思いますが、有名所のかなりの数のSFの翻訳を手掛けてる人です。レンズマンシリーズのあの独特な筆致とリングワールドシリーズの書きっぷりのギャップもまた「カホな(神も仏もないものか TANJ = There ain't Justice.)ってかんじですが。「こすみれい」はコズミックレイのことでもありますね。
小隅レイは作中では絶大な人気を誇るVocaloidとして描かれていますし、設定上はまんま初音ミクです。登場人物に「レイちゃんマジ天使」とか言わせていますし ^^;;
もうひとつの重要な役を担っているのがタイトルにもあるピアピア動画。これも言うまでもなくニコニコ動画から来てるわけですし、そもそも解説はドワンゴ会長の川上氏が書いてますし。ニコ動と違うのはP2P (ピア・ツー・ピア)なネットワークコンテンツとなっていることですが。(そこらへんはこの本の解説をご覧あれ。)
おそらくはピアピアというのは、初音ミクの販売元であるクリプトン・フューチャー社のピアプロのことも念頭にあるんでしょうね。ここのライセンス条項が、作品の二次使用が可能となるように作られていたことも、初音ミクがヒットした要因のひとつだったのかと。
とまれ、尻Pとしても知られる野尻抱介のこの話は、初期のボカロ文化の、面白ければOK的な雰囲気であふれています。なにせ初出が2008年ですから、初音ミクが生まれてからたった1年程度のところで作られた話だったわけですから。本自体も2012年に出版されてます。そして、当時のボカロ文化の中で思われていた、いつかこんなんなったら面白いな、的な夢が詰まっているような。(妄想とも言う。)
もちろん、星雲賞作家の作だけあって、SF的ガジェットも満載です。かなり無茶なインフレーションを起していますが、こういう派手な広がりをみせるSF作品というのも痛快なものです。
「今」このボカロ小説を読むことに、ある意味意義があるのかもしれないかも、と思ったり。でも、ボカロ終焉論が出てからもすでにそれなりの期間がたっているんですよね。まぁ、ミクも今年で10周年ですから。
NHKの名前についての番組で「さいとう」さんのことをやっていたのですが、この名前の主なパターンには「斎藤」、「齋藤」、「斉藤」、「齊藤」とあります。名前の文字のパターンとしては誤字の登録とかもあったりしてもっと多様にあるのですが、前二つの「さい」は祈りとかに関連する言葉で、後者二つの「さい」は正確には「せい」と読んで一斉の斉ですね。古い中国の文字の臨書をやっているとこの斉の文字が大量に出てきます。古代中国の王国のひとつでしたから。上にのっかってる部分の違いですが、本義的には「亝」が元の字に近いかな。ちょっと小さいですか? 亝でどうでしょうか。
番組でもこの字が取り上げられていて、ムがみっつ、とか言われていましたが、大雑把に言って丸とか菱形が三つ三角形状に並んでいる形になっています。この字では横にある二本の縦線がはぶかれてしまっていますが。齊の字の上の部分に注目して欲しいのですが、それぞれ閉じた円状のものを漢字の角ばった線で表しているようにも見えませんか? 篆書まで戻るとそれに近い形になるのですが、古い木簡になるともっと顕著に特徴が出てきていたりしますね。參の字も似た形になっているのですがね。